なぜダイエットにウエイトトレーニングなのか?
女性の方でもきれいなボディラインを作るには適度なウエイトトレーニングは不可欠で、ただ筋肉を太く大きくするだけがウエイトトレーニングではありません。
近頃、女性誌などでもダンベルやバーベルによるトレーニングが度々紹介されることもあり、ダイエットにおけるフリーウイトのトレーニングは世間に認知されつつありますが、未だに女性のウエイトトレーニングには誤解が多く、象徴的な質問が「ダンベルやバーベルでトレーニングすると筋肉ムキムキにならないの?」というものです。
ランニング、加圧、コアトレなど、世の中にはいろいろなトレーニング方法がありますが、フリーウエイトトレーニングほど誤解されているトレーニングも他にないでしょう。
日本では多くの人がダイエットといえば当たり前のように有酸素運動を選択しますが、なぜボディメイキングボックスでは無酸素運動のウエイトトレーニングを(男女問わず)推奨しているか、上記の質問の回答と合わせて以下に詳しく説明していきます。
ランニングなどの有酸素運動のみを長時間行っても人が憧れるような体型にはなりにくいといえます。
メリハリのあるボディラインは、皮膚でも骨格でも体脂肪でもなく筋肉がつくります。
筋肉をつければ基礎代謝が高まり、日常生活を送るだけでもカロリーの消費量を増やし、体脂肪の燃焼効率を高めますが、筋肉を分解してしまうと代謝が下がり、日常生活でのカロリー消費量が減少します。
「ダイエットを辞めたらすぐ太った」というのは有酸素運動のみや誤った食事制限のみでダイエットを行っていたことが考えられます。
長時間の有酸素運動のみで作った体型は、筋肉を分解し、ただ痩せているだけの、お年寄りのようなのっぺりとした体になりがちです。
心肺機能を向上させたい、体型は二の次でとにかく体重を減らしたい、運動能力を向上させたいという目的であれば問題ありませんが、きれいなボディラインを作り、食べても太りにくく、リバウンドしにくい体質作りのアプローチとして長時間の有酸素運動のみというのは不十分かもしれません。
しかし、有酸素運動はダイエットに不向きか?というと全くそのようなことはありません。
基礎代謝量を上げて太りにくい体を作るには、大きな筋肉を鍛えるのがセオリーなので、体の中で一番大きい筋肉が付着している脚をトレーニングすることになります。
脚の筋肉の量が増えると、基礎代謝が上がり、日常生活を送るだけでもカロリーを消費しやすくします。
また、脚は、歩行という日常生活において最も行う頻度の多い運動を担います。
脚の筋肉の量が増えれば、ウエイトトレーニングをしていない脚と比較すると有酸素運動時のカロリー消費を高め、効率よくダイエットを進めることができます。
更に、脚など、筋肉の量が多い部位にある程度の負荷をかけてウエイトトレーニングを行うと、体脂肪を分解し、グリセロールと遊離脂肪酸として血中に流れ出し、エネルギーとして体脂肪を消費しやすい状態を作ります。
よって、大きな部位のウエイトトレーニングを行ったあとに有酸素運動を行うと、体脂肪の燃焼効率を高めます。
その際の有酸素運動は20分~30分程度の早めのウオーキングでも十分に効果が期待できるとされています。
女性のダイエットのためのトレーニングの場合、脚を鍛えると聞くと、太ももの前の筋肉が気になりますよね?
太腿の前の筋肉がついてしまうと、脚が太く見えてしまうのでは?と不安に思われるのもわからなくはありませんが、実際のところ、男性とはホルモンの分泌が異なるため、そうそう太くなりません。
トレーニングを行った日から数日間は筋肉が張る感覚があるため、太く大きくなった感があるかと思いますが、それはパンプアップと呼ばれる生理現象で一過性のものであることが多く、トレーニングを継続する前に太腿を採寸しておくと、太く大きくなっているどころかサイズが縮まっているケースの方が多いです。
そのように説明をされてもなお、不安が拭えないようであれば敢えて太ももの前に刺激を与えず、目立ちにくい大きな筋肉やお尻の筋肉を鍛えるのもお勧めです。
お尻に筋肉をつけても不格好になることはありません。
筋肉で引き締まった(ヒップアップされた)お尻と、脂肪でただ大きいお尻は見え方が全く違います。
「筋肉をつけてしまうと体が大きくならないの?」といったご質問もよく受けますが、体脂肪の1kgあたりの体積はだいたい1リットルペットボトルよりやや大きいくらいといわれます。
一方、筋肉の1kgあたりの体積はその半分以下といわれます。
体脂肪が1kg減れば体から1リットルのペットボトル分の体積が消えるということになります。
体脂肪を減らせばそれだけ見た目が変わり、引き締まって見え、筋肉を然るべき部位に付ければメリハリのあるキレイなボディラインになります。
筋肉を1kg増やすにはそれなりの期間を要しますが、体脂肪を1kg減らすことは数週間もあれば可能です。
「私、筋肉が付きやすいから…」という台詞もよく耳にしますが、「筋肉が付きやすい」という女性の方のほとんどが皮下脂肪が薄く、筋繊維がすじ張って見えている場合か、筋肉ではなく脂肪である場合、普段あまり動かさない部位をトレーニングすることで、筋肉に力が入りやすくなり、筋肉が付いたような気がする、のいずれかの場合が多いです。
そもそも、筋肉は筋肥大を目的としたトレーニングを継続されている男性でも、年間筋肉だけで2kgも増えればまずまずとされるペースで発達するもので、ましてや女性は男性とは筋肉を太く大きくするホルモン分泌が違うため(20分の1)ムキムキになろうと思ってもそうそうなれるものではありませんので過度な心配は不要です。
ダイエットにおいて、お食事はトレーニングよりも重要といえます。
消費カロリー>摂取カロリーはダイエットの基本中の基本で、摂取カロリーが少なければ体重は減ります。
だからといって、やみくもにお食事を抜くような減量方法は危険です。
結婚式など、よほどのことがない限り、短期間での急激な減量はお勧めしません。
1か月に3kg以上(諸説あり、あくまでも目安です)の減量は、カタボリックといって筋肉の分解を進めてしまいます。
筋肉を減らしてしまうと代謝が下がり、食べると太りやすい体になり、リバウンドのリスクを高めます。
前述のとおり、体脂肪は1kgあたり1Lのペットボトルのひとまわり大きいくらいの体積ですが、筋肉はその半分以下です。
筋肉で体重が多少増えても見た目が引き締まり出るところが出れば、体重が何キロも減ったようにみえます。
短期間で体重が減ると減量がうまくいっているように感じ、減量が楽しくなりますが、そこが落とし穴で短期間で極端に体重を落とすようなダイエットは体脂肪よりもむしろ筋肉を減らしています。
最近流行りの糖質制限ですが、こちらもやはり極度の制限はリバウンドのリスクを高める可能性があります。
ダイエットのお食事方法はご希望に沿ったアドバイスをさせていただきますが、基本的にこちらでは一時的に体重を減らすようなお食事方法ではなく、体重よりも体型の変化に重きを置き、食べても太りにくい体作りを目指すような内容でアドバイスさせていただいております。
まずは、日々ご自分が摂取されているカロリー、体重が増えも減りもしない目安のカロリー、減量に適した目安のカロリーを知り、たんぱく質、炭水化物、脂質のバランスを考え、徐々に適性のカロリーに合わせたお食事を習慣化できるようにしていきます。